TBSドラマ『オールドルーキー』
美術デザイナーインタビュー!
話題ドラマの舞台裏を解説

毎週日曜日9時から放送中の TBS系列ドラマ『オールドルーキー』。今回、イトーキはこの『オールドルーキー』とタイアップし、主人公が勤務する会社「ビクトリー」に様々なオフィス製品を提供しています。

 

今回はこの『オールドルーキー』の美術デザイナーとしてセットデザインを担当した、株式会社TBSアクト デザイン本部の串岡良太郎さんにインタビューしました。

※前回の記事では『オールドルーキー』に出てくるイトーキ製品の機能について詳しく紹介しています。こちらもぜひご覧ください!

 

「スポーツマネジメント会社」にピッタリの明るく爽やかなオフィス

美術デザイナー視点で語るセット完成までのウラ話

 

――今回の『オールドルーキー』のオフィスや主人公のマンションのセットをデザインしたのは串岡さんだと伺っています。どのような点を意識してデザインされたのかを教えてください。

全体のイメージから言うと、スポーツマネジメント会社なので、一般のオフィスよりも見た目から明るく爽やかな印象にすることは意識しました。放送クールも夏ですしね。

 

さらにはこのオフィスのイメージキャラクターが実は先に完成していたので、この青い鳥のキャラクターが置いてあっても違和感ない配色を選んでいます。たとえば、今回の執務室はイトーキさんのアクトチェアをはじめファイルボックスなど、全体に白めの家具や事務用品を採用していますね。

 

オフィスのレイアウトとデスクスペースの配置の工夫

レイアウトでいうと、奥から撮影すると株式会社ビクトリーのエンブレム、手前から撮影すると特徴的な中二階の社長室が見えるようになっています。

 

そして、エンブレムと社長室は一直線上にあり、その中心に主人公や社員たちのデスクがあるように配置しています。これでどの角度で撮影しても、必ず背景に何かが映り込んで奥行きを感じられるように見せているんです。とはいえ、あまりセットのど真ん中に主人公たちのスペースがあることを視聴者の方は意識しなくてもいいように、計算してセットを考えました。

イトーキの製品は、ショールームまで行ってデザイナー自らセレクト!

――それでは、今回イトーキ製品を多数セレクトいただいた理由を教えていただけますでしょうか。

イトーキさんの製品は、以前僕がデザインを担当したドラマでも使わせていただきました。今回もイトーキさんのカタログを見たり、ショールームに足を運んで実際に製品を見たりして、今回どの製品を使わせてもらうかをイトーキの広報担当者さんと話し合いながら、選びました。

あとは、ショールームでイトーキさんにすすめていただいたものも一部採用しています。こちらの、コンセントを好きなところで使えるようになるL字型の「キャリータップ」なんかそうですね。僕もいいなと思い、今回このスペースに採用させていただいています。

「キャリータップ」

 

「アクトチェア」を選んだポイントは、爽やかオフィスにピッタリな色と抜け感!

主人公の新町さんたちのデスクはこのあたりです。ここでは、イトーキさんの「アクトチェア(エラストマータイプ)」を採用させていただいています。

 

アクトチェアはショールームで実際に見て、「コレだ!」と思いましたね。前述したようにオフィスのイメージが明るく爽やかな感じで考えていたので「それに合うものを」と考えていたところ、このグレーカラーのアクトチェアが目にとまりました。

このようにたくさんチェアが並んでいる光景を見ていただくとわかりやすいと思うのですが、このオフィス空間においてチェアは相当な面積を占めます。そこで、明るく爽やかなオフィスに似合う色のこのアクトチェアを選んだんです。

 

イトーキさんの中でも、アクトチェアは推し製品ということでした。すんなり決まりましたね、もう両想いって感じです(笑)。

また、今回のアクトチェアはエラストマータイプを選ばせていただきました。選定理由としては、この背面の絶妙な抜け感ですね。オフィスチェアなのに、重苦しさがありません。背面のT字部分を中心によく動く素材である点も、長時間このチェアに座る役者さんたちにとっていいなと思いました。

 

ちなみにアクトチェアには肘ありと肘なしがありますが、俳優さんたちの動きがわかりやすいように、今回は肘なしタイプを使わせていただきました。自分が実際にアクトチェアを使用するなら、肘ありタイプを選びたいですね。

ここは、主人公新町さんのデスクです。

新町さんは入社したばかりなので、あまり私物は置いていない設定です。ちなみに、新町さんのデスクを開けてみると、交通費を書いたメモが仕込んであります。デスクワークに慣れていない新町さんらしいでしょう?

他の社員の方々は、このように仕事に関するファイルや私物などが、新町さんよりもたくさん置いてありますね。

アクトチェアといえば、こちらの総務担当エリアをイメージしてつくったスペースにも天板の位置が高めの「ハイライン ベンチテーブル」とあわせて使える「アクトチェア ハイポジションタイプ」を採用しています。新町さんたちのデスクスペースからは少し離れているのですが、映り込んだときのバランスを考えて、この座面が高めのタイプを選ばせていただきました。

アクトチェア(エラストマーバックタイプ、ハイバックタイプ)

ハイライン ベンチテーブル

 

――なるほど、映り込んだ時のバランスも考えて、配置する製品を検討していただいたんですね!

そうですね。こちらの「ノットワーク ハイチェア」も同様の理由です。こちらも別のドラマでイトーキさんのこの天板が高めのテーブルを採用してみた時に、映り込んだ時のバランス感がすごくいいなと感じまして。今回そのテーブルと追加で、このハイチェアも選ばせていただきました。天板の色は、今回のハイチェアに合うように変更してチェアとの統一感を出しています。

ノットワーク ハイチェア

 

デスクがある場所以外のスペースもご注目!

今回新発売のコモンファニチャーやオリカチェアもチェック

――今回、7月発売のコモンファニチャーも採用いただいています。つい最近発売されたばかりで、SNSでも早くも反響があります。

この「コモンファニチャー シェルフ(LOW)」は、ショールームで見た時は発売前だったんですけど、どうしても気に入ってしまって! 無理言って、発売よりも先にこのドラマ現場に搬入していただきました。

ファイルもたくさん収納しているのでわかりづらいかもしれませんが、実はキャスターがついているので移動させることもできます。タイアップいただいたコモンファニチャーの1つは、オフィスセット以外の別の場面でも使えるかもしれないなと考えています。

あと個人的には、天板の木口(切り口)が切りっぱなしのような見た目になっているのが、格好良くてお気に入りです。

コモンファニチャー (シェルフ(LOW))

 

ミーティングチェア「オリカチェア」や「キャリータップ」「ノットワークカフェテーブル」

こちらは同じオフィス内のワークスペースです。新町さんたちのデスクはあえて固定席にしたので、こちらはもう少し自由に使えるスペースとして使っている想定です。新町さんが話しているシーンでよく映っていますが、実はここにも、たくさんのイトーキさんの製品を使わせていただいているんですよ!

オリカチェア

ノットワーク カフェテーブル

キャリータップ

 

社長室のデスク「アフィーノLT」は、社長の雰囲気に合わせて採用!

――社長室は、また雰囲気が違いますね。こちら社長の高柳さんが愛用しているデスクとして、イトーキの「アフィーノLT」を採用いただいています。

最初はスタッフの皆さんがいるスペースと同じく、白を基調とした色味のデスクを置こうかなと考えていたんです。ただ、社長の高柳さんを演じている役者さんのイメージを考えると、重厚な黒もすごく合うなと思ったんですよね。そこでデスク周辺機器を黒で揃えつつ、「アフィーノLT」の色味も少しダークなものを選びました。

デスクの種類ですが、実はこの「アフィーノLT」とイトーキさんの別製品「アクトリンク」とで迷いました! 今回は部屋のバランスを考え、こちらを使用させていただきました。2つのデスクを組み合わせて、L字型デスクのように配置しています。

アフィーノLT(パーソナルデスク、サイドミーティングテーブル)

イトーキ製品の気に入っているところは「機能が多いところ」

――ありがとうございました! 最後に、イトーキ家具の好きなところがあれば、教えていただけますでしょうか?

そうですね。デザインもそうですが、背面や肘置きなど細やかな部分まで機能が多いところでしょうか。まだまだ使いこなせていないのですが、説明を伺うたびにすごいなと思います。もちろん座り心地や使い心地も、とても良いものが多いと思います。今後も、様々な製品が誕生するのを楽しみにしています!

――串岡さん、ありがとうございました!

 

『オールドルーキー』は毎週日曜日夜9時、放送中です。ドラマを楽しみながら、セットの細かい部分にもぜひ注目してみてもらえるとうれしいです。

 

 

<放送情報>

放送局:TBS系列

番組名:『オールドルーキー』

放送日:2022年6月26日(日)~ 毎週日曜夜9時より放送

番組HP: https://www.tbs.co.jp/OLDROOKIE_tbs/

見逃し配信:Paravi