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掲載日:2023/05/17

オフィスチェア開発の技術を集結!プロ向けゲーミングチェア「Act Gaming」開発者リモート座談会(後半)

プロ向けゲーミングチェア「Act Gaming」開発者リモート座談会(後半)

イトーキの新レーベルdaidaraから発売中のエクストリームプレイヤー向けゲーミングチェア「Act Gaming(アクトゲーミング)」。2023年3月3日に発売されたばかりですが、高価格帯ながらも機能性の高さが評価されています。今回、Act Gamingに秘められたこれからの可能性を探るべく、開発メンバーにインタビューを決行!イトーキのゲーミングチェア開発の裏側に迫ります。(前半の様子はこちら)

この記事では「オフィスチェア開発の技術を集結!プロ向けゲーミングチェア「Act Gaming」開発者リモート座談会」の後半を公開します。今回はオフィスチェア「Act」からブラッシュアップしたポイントやエラストマー素材採用の裏話、開発に携わったメンバーからのメッセージを紹介します。

Actからブラッシュアップ! 座面の調整やヘッドレスト、エラストマー素材の採用には苦労点も……

── これまでのお話から、Act GamingにはActで培った技術がふんだんに盛り込まれていることが分かりました。逆に、Act Gamingのために新しく付加した部分はどこですか?

松本さん:まず、座面高ですね。Act Gamingは在宅向けを想定しているので、Actよりも座面を低くできるように設計しています。家の中では靴を履かないので靴底の厚さを考慮した下げ幅になっています。

鎌田さん:ヘッドレストもそうですね。Actだとヘッドレストがついていないタイプもあるのですが、ゲーマーの方々から「ヘッドレストはぜひつけてほしい」との生の声をいただきました。その結果、Act Gamingには標準装備として採用することにしました。

平社さん:あとは、エラストマー素材。エラストマーはイトーキが10年以上前からチェアの背で採用している素材で、スリットが入っているので通気性が高く、長時間座っていても背中が蒸れないように配慮されています。デザインの面でも、より洗練された印象に仕上がったと思います。

平社さん

── Actの機能性の高さがゲーミングチェアという形においても発揮されているのですね。他方で、Act Gamingの開発で苦労されたことも多かったと思います。どういった点に試行錯誤されましたか?

松本さん:開発側としては、ハンモックのような座り心地の良さを出すという点で、今回のゲーミングチェアにエラストマーを採用してもらえたのは良かったなと思っています。

ただ、設計士にとってはエラストマーってかなり悩まされる素材なんです。背もたれにスリットが入っているのも、デザインとしては洗練されていますが、ちぎれないように設計しないといけないですからね。あの背もたれの形状は失敗が許されないんです。その点、非常に苦労しました(苦笑)。

平社さん:あと、私が要望した「赤色」にも非常に苦労されましたよね(笑)。

松本さん:確かに、赤色を出すのに非常に苦労しました(苦笑)。平社と鎌田から「ツヤ無しの赤色」という要望を受けて、Act Gaming用に樹脂を赤くするための塗料を新しく作ったのですが、「思い通りの赤色を出す・変色しにくい・剥離しにくい」という点から、難易度の高い課題でしたね。結果的には全ての条件を満たした綺麗な赤色に仕上がったのでほっとしています。

Act Gamingの赤色

こちらがAct Gamingの赤色。座面、バックレスト、キャスター部分など、いたるところに赤色が使われている。

平社さん:ありがとうございます。じつは今回、ゲーミングチェアにはない落ち着いた雰囲気と高級感を纏わせるために、ツヤ無しの赤を希望しました。

あと、ツヤ無しだと指紋とかつきづらいでしょ?例えば、何かをつまみながらゲームをしていて、その油がついた手で(チェアを)触ってもそんなに目立たないと思います。

ぜひ一度座ってみてほしい!イトーキのオフィスチェアの技術を集結したゲーミングチェア、「Act Gaming」

~開発者からのメッセージ~

── 皆さんが試行錯誤された結果Act Gamingが完成したわけですが、開発において、こだわったポイントを教えてください。

松本さん:開発設計の立場としては、諸事情で平社や鎌田が要望するデザインが成立しない可能性も出てくるわけです。でも、Act Gamingについては妥協したくなかった。「イトーキのオフィスチェアの技術を集結させた最上位のゲーミングチェア」というテーマは絶対に変えてはいけないっていう気持ちで開発を続けていました。

平社さん: Act Gamingはけっこうな高価格帯で、もちろんその値段に見合う機能はすでに持っていますけれども、ビジュアルもそれに見合うものでなくてはならない。ゲーミングチェアのイメージを覆すデザインに仕上げていて、オフィスチェア寄りのデザイン、それもハイグレードなオフィスチェアのスタイルを纏っているゲーミングチェアである、という見た目の表現にはかなり注力しました。

── 最後に、Act Gamingが気になっているものの、価格との兼ね合いで迷っている方も多いと思います。そういった方々に向けて、開発担当者としてメッセージをお願いします。

松本さん:高価格帯のチェアなのでお値段がネックになる方もいるかもしれませんが、それだけ高機能なのはお伝えしておきたいです。そこに自信を持っているので、まずは座っていただきたいという気持ちです。鎌田のほうから各方面へ働きかけて、全国の店舗や京橋のショールームにもAct gamingが展示されていると思いますので、座っていただいたらこのイスに対する見方が変わってくると思います。

鎌田さん:肘当ての機能やエラストマー素材とか言葉で説明できる部分以外に、座った感触とか口では説明できない部分で非常に質感が高いものとなっています。ですので、現物を見ていただいて、肌で感じて、ご購入を検討していただきたいなと思います。

鎌田さん

平社さん:ある程度高いモノって機能が良いのはもちろんですし、デザインが良いのももちろん皆さんが求めることだと思うんですよね。それを高次元で両立させ、持っていて嬉しくなるようなものに育てあげていくことが、私たちのミッションだと考えています。

今回、Act gamingはDaidaraというレーベルから販売されていますが、そのレーベルの価値を高めることで、価格にも納得いただくように作っていかなきゃなって思っています。

寺本さん:チェアって家具のなかでずっと人の側にいるもの、一番長時間接するものだと思うので、品質や座り心地が非常に大切だと思うんですね。Act gamingは安価なチェアに比べると、品質も良くて長時間座っても疲れない。そういった意味で、身体に対する配慮が値段に跳ね返ってきているとも言えるので、決して高いイスではなくて、時間単位で換算してもらうとリーズナブルなものなんだよということをお伝えしたいです。

<「Act Gaming」紹介>

ゲーム体験をより快適でエキサイティングに!ゲーミングチェア「Act Gaming」

2023年3月3日、イトーキからエクストリームプレイヤー向け商品「Act Gaming」が発売されました。Act gamingは、オフィス向けの「Act」(2018年11月発売)をベースに改良開発された製品となっています。今回、Act gamingの発売と同時に、ゲーミング市場向け新レーベル「Daidara」を設立。今後はゲーミングチェアだけでなくデスク等の商品も展開していく予定です。

※詳しくはこちら

 

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PROFILEPROFILE

松本 佑太
松本 佑太
(まつもとゆうた)

生産本部開発設計統括部
第1開発設計部チェア開発設計室 第1チーム

BtoBの会社でも人に身近な製品を作れることからイトーキに応募。2013年の入社以降、主にオフィスチェアの開発設計を担当。自席にゲーミングチェアの模型を置いていた事をきっかけに、アクトゲーミングチームに参入。

平社 直己
平社 直己
(ひらこそ なおき)

Web事業統括部(商品業務)MD課

フリーランスのプロダクト、インテリア、グラフィックデザイナーを経て2018年前身であるパーソナル事業統括部に入社し、家での学習・仕事・くつろぎをより快適にする開発メンバーとなる。2023年よりITOKI HOMEのブランディングやクリエイティブディレクションを担当。

鎌田 敬治
鎌田 敬治
(かまた けいじ)

Web事業統括部(商品業務)MD課PMチーム

1998年から2010年までオフィス家具企画開発を担当。2011年からスモールオフィス向け家具開発を担当。現在は個人のお客様向け商品開発に取り組んでいる。

寺本 宜広
寺本 宜広
(てらもと のりひろ)

スマートオフィス商品開発本部
プロダクト開発統括部 スマートオフィス企画部

2006年に入社後、滋賀工場でキャビネット設計に5年間携わる。2011年に商品企画に異動し、代表作はエスキャビネット、アクトチェア。2021年よりICTと家具を組み合わせた新商品開発に取り組んでいる。

※所属部署・役職は取材当時のものとなります

この記事で紹介した商品

Act Gaming
  • たのしむ・くつろぐ

Act Gaming

ゲーミングチェア