
2020年春ごろから新型コロナウイルス感染症の防止対策として、大幅に増加した企業のテレワーク導入率。読者の方の中でも、在宅ワークを実施している方が多いのではないでしょうか。業務フローの見直しや、コミュニケーション方法の検討、自宅の通信環境の整備などが落ち着き、より在宅ワーク・テレワークの環境を整えたいと思い始めた方もいるでしょう。今回は、働く環境に欠かせない在宅ワーク・テレワーク用の机選びについて解説します。
快適な在宅ワークに「机」が重要な理由
在宅ワーク・テレワークでは、パソコン作業をする方が多いですよね。職場では当たり前のように用意されていた仕事用の机と椅子。目、肩、腕、腰など身体に負担がかからないように、企画・設計されたオフィス用のものが用意されていたことと思います。
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(※1)でも推奨されているように、無理のない姿勢でデスクワークを行うためには机・椅子・P Cを適切に配置することが大切です。特に、机と椅子は1セット。身体のために、また集中して業務に取り組むために、パソコン作業をするのに適した机を使用することが大切なのです。
(※1)厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」
実は満足していない?在宅ワークの環境
国土交通省が発表した「令和2年度テレワーク人口実態調査」(※2)によると、約64%がテレワークに満足し、約82%がテレワークの継続意向があるという結果が出ています。さらに、テレワーク実施場所については、約84%が「自宅を主な実施場所として利用」と回答。自宅でテレワークを行うメリットを多く感じている方が多いことがわかります。
一方で、テレワークを実施して悪かった点として、約35%が「仕事をする部屋や机・椅子、インターネット環境や、プリンター・コピー機などの環境が十分でなく不便だった」と答えているのも見逃せません。
(※2)国土交通省「令和2年度テレワーク人口実態調査―調査結果の抜粋―」
これまでワーカーズ・ハピネスでは、在宅ワーク・テレワークの部屋づくりや、椅子の選び方を中心に取り上げてきました。そこで今回は、机の選び方について考えてみたいと思います。部屋づくりや椅子についても検討されている方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね。
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机と椅子はセットで考えるのがおすすめ
ところで、在宅ワーク・テレワークに使用している机は、どのようなものでしょうか。「ダイニングテーブルを使っている」という方、「子どもの勉強机を借りている」という方、「キッチンにあるカウンターを活用している」という方…すでに自宅にあったものを生かし、いろいろな工夫をされていると思います。しかし、もともと別の用途を主としてつくられた机は、使いにくさや違和感があるかもしれません。
これから在宅ワーク・テレワーク用の机を購入するのであれば、ぜひ机と椅子をセットで考えるようにしましょう。先ほど説明したように、机と椅子を最適も使用することで、疲れにくい正しい姿勢を保つことができるようになります。今使っている椅子を使い続けたい方は、その椅子との組み合わせを考えて、椅子の購入も合わせて検討している方は最適な組合せを考えてみてくださいね。
在宅ワーク・テレワーク向きの机選びのポイント
今回は、在宅ワーク・テレワーク用の机選びについて8つのポイントをご紹介します。
1.必要なものが配置できる広さがある
在宅ワーク・テレワークといっても、必要な机の広さはその人の業務内容によって変わってきます。「大は小を兼ねる」と言いますが、自宅では大きい机を置くのが難しかったり圧迫感が気になったりすることもありますよね。
机のサイズ選びの参考として、ここでは3パターンご紹介しますので、自分に当てはめて考えてみてください。業務内容や仕事をする部屋の環境や、このあと3でご紹介する体格・体型などに合わせて、より理想的なサイズをイメージしてみることをおすすめします。合わせて、希望するサイズの机を置くのに必要だと考えられる広さも参考にしてみてくださいね。
2.作業中に脚が窮屈でない空間がある
長時間、机に向かうことを考えると、正しい姿勢を保つポイントの一つである脚の裏全体を床につけた状態で、ストレスのない空間が足元にあることが大切です。例えば、身長が高く電車や飛行機に乗ったときに窮屈さを感じる方などは、注意して確認するようにしましょう。
3.体型に合った高さである
職場では、社員全員で同じ机や椅子を使っていたかと思います。でも、せっかく在宅ワーク・テレワーク用に自分専用のものを購入するのであれば、体格・体型に合ったものを選ぶようにしましょう。高さの調整ができないタイプの場合は、床からの高さが65〜70㎝程度のものが望ましいとされています(※3)。より座った姿勢に合わせたい方は、高さを変えられるタイプの机も検討してみたいですね。
イトーキでは、事前にアプリに身長を登録すると、使う方が快適に仕事をできる机の高さに自動設定される机も発売しています。この記事の最後でご紹介しますのでチェックしてみてください。
(※3)厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
4.スペースに合う形である
どんなに気に入った机でも、自宅の仕事スペースに入らない・合わないものでは、使うことができません。あらかじめ、仕事をするスペースを確保した上で、サイズなどを確認してから選ぶようにしましょう。また、お子さんがいらっしゃる方やぶつけることが心配な方は、机の角や脚が丸く処理されている机を選ぶと安心です。
5.手入れがしやすく耐久性がある
長く使い続けられるように、手入れのしやすさや耐久性にも注目しましょう。天板にキズがつくことが気になってしまう方は、天然木と比べてキズがつきにくいメラミン合板タイプのものを検討してみてください。また、衛生面に配慮したものを選びたい方は、抗菌仕様の天板が使われている机を選ぶことをおすすめします。
6.用途に合った収納が可能
職場の机のように、仕事に使うものを収納できると情報管理の観点や、整理整頓を容易にするためにも便利ですよね。机自体に収納がついているものや、オプションとして専用のワゴンを活用できる机もあります。ラックや箱などを別途購入して対応するのか、収納機能を兼ね備えた机にするのか、あらかじめイメージして選ぶようにしましょう。
7.配線穴など自分に合った機能がついている
パソコンが普及して以降、壁につけて机を置いたときにケーブルなどを通せる配線スペースが確保されていたり、机上に配線穴が用意されていたりする机もあります。机の上にあるケーブルが煩雑に感じられる方は、注目したい機能です。
8.必要なときに机を移動しやすい
最後は、移動のしやすさです。「仕事が終わったら、机を部屋の隅に片づけたい」「家族が帰ってきたあとは、机の位置を動かしたい」このような在宅ワーク・テレワークならではといえるニーズもありますよね。机の脚にキャスターがついていて簡単に移動できるものや、天板を折りたたんで片づけられるタイプの机も発売されているので、チェックしてみると良いでしょう。
在宅ワーク・テレワークにおすすめの机
これまで、在宅ワーク・テレワークに適した机の選び方について解説しました。次に、イトーキが発売している人気の机をご紹介します。それぞれの机に開発チームの想いとアイデアが詰まっていますので、気になるものがあれば詳しく見てみてくださいね。
まるで自分の部屋!?充実した収納が人気【オノフ】
ONOFF(オノフ)は、在宅ワーク・テレワークで、オン・オフの切り替えがしやすい家具として誕生しました。まるで小さい自分だけの部屋のように、使わないときはスッキリたためます。鍵をかけておくことができるので、お子さんやペットがいる方も、大切な資料などを安心して収納できます。ほかにも、小物棚、鞄などを変えておけるハンギングバー、カップホルダー、ケーブルスリット&配線孔、足元の収納スペース、PC・タブレットスタンドなど、「あったらいいな」が詰まった机です。
スタンディングデスクにも!【サリダリフティングデスク】
サリダシリーズのガス圧式昇降デスクです。レバーを引くだけで、机の高さや角度を無段階で調整できるので、自分の好みに合わせて快適に使用できます。さらに、使わないときは天板を折りたたんでコンパクトに収納できるので、仕事スペースが限られている方にも好評です。パソコンの配線スペースも確保されていて、在宅ワーク・テレワークにぴったり。昨今言われている、「座りすぎ」のリスクが心配な方や運動不足を感じている方にもおすすめです。
働き方やスペースに合わせて選べる!【origo】
origo(オリゴ)は、オフィス家具用の商品をベースにつくられています。在宅ワーク・テレワークをプロ仕様の机でアップデートしたい方におすすめです。今回は、origoシリーズの中から2つの商品をご紹介します。
1つ目はご自宅のインテリアにも馴染みやすいシンプルなデザイン。横幅を80㎝または100㎝から選ぶことができ、コンパクトで場所を選ばないスタイリッシュさが人気です。傷や汚れに強い天板が使用されているため、安心して長くお使いいただけます。
https://shop.itoki.jp/shop/g/g24088456/
2つ目は、横幅が120㎝あり、天板カラーを4色から、脚カラーを3色から選べる(2022年2月現在)タイプです。天板には、抗菌防臭効果のあるポリジン加工が施されています。
https://shop.itoki.jp/shop/g/g24090954/
こちらは、1つめのオリゴテーブル
自動でフィット!健康的に働くために【toiro】
toiro(トイロ)は、一人ひとりの体格差やワークスタイルに合わせて、天板の高さを自由に変えられるフレキシブルな机です。アプリに事前に身長を登録しておくと快適に仕事ができる立った姿勢・座った姿勢の推奨机上高さが自動設定されます。また、1日の消費カロリーが少なかったり同じ座位姿勢が続いたりすると、アプリが立位姿勢への切り替えをアラートしてくれる嬉しい機能も!効率的・効果的にパフォーマンスを発揮したいあなたを、理想的な姿勢を促すことでサポートしてくれます。
まとめ
今回は、在宅ワーク・テレワーク向きの机の選び方や、机と椅子のバランスが重要な理由について解説しました。もともと自宅にあったものを活用されている方も、より効率的に、快適に働くために、今回ご紹介したポイントを参考に机を選んでみることをおすすめします。机を購入する際は、今使っている椅子とのバランスを重視し、正しい姿勢を保てるかを確認しましょう。同時に椅子の購入も合わせて検討している方は、サイズ感や機能など最適な組合せを考えてみてくださいね。