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働き方 レジリエンスと向き合う

しなやかな心は、折れにくい。
注目される「レジリエンス」とは?

しなやかな心は、折れにくい。注目される「レジリエンス」とは?

いま、社会全体が「ニューノーマル」に向けて新たな一歩を踏み出そうとしています。

でも、一人ひとりのワーカーたちはまだまだ混乱の中。緊急事態宣言から突然のテレワークが始まり、そこから徐々にオフィスに回帰する動きはありつつも、流動的な状況は依然続いています。とくに遠隔でのコミュニケーションが急増する環境において、人間関係が大きなウェイトを占める「マネジメント」に戸惑いを感じている方は多いようです。

「上司に相談したいけれど、話しかけにくくなった」「部下の進捗を確認したいけれど、監視しているみたいでちょっと……」など、困りごとの声がよく聞かれます。

これまでに経験したことがないことに、人間は不安になるもの。そんな今、注目されているのが「レジリエンス」という言葉。直訳すると「弾力」や「復元力」といった意味ですが、心理学においては「不利な状況において、ふだんと同じ状態を保つことができる力」といった意味で使われます。

つまり「レジリエンスが高い人」とは、「つらいときにも自分らしく、いつもと変わらずにいられる」人、といったところでしょうか。

今回から、この「レジリエンス」について少し掘り下げていきたいと思います。
今だからこそ必要なこの力に、ぜひ触れてみていただければうれしいです。


文 WORKERS happiness編集部 相川ちえ

しなやかな柳は、折れにくい。「心」だって同じこと

こころの状態を語るとき、「ストレス耐性」という言葉は以前から一般的でした。ただ、ストレス耐性というとどちらかというと「耐久性」「丈夫さ」といったニュアンスが強い言葉。「どこまで耐えられるか」という度合いを示すもの、というとわかりやすいかもしれません。

「レジリエンス」は、いわゆる頑強さで対峙するのではなく、しなやかに柔軟に対応していくチカラのこと。受けたダメージから回復したり、外的な環境に適応していく、というイメージですね。

心が「しなやか」であることは、想像以上に重要です。なぜなら、目の前のことしか見えない状態だったり、物事に一喜一憂してしまう状態というのは、心が「折れやすく」なるため。つらい状況にあるとき、そこに目を向けてばかりでは心のダメージから回復することは困難です。そんなとき、少し考え方の枠組みを変えてあげる、つまり「雨が降ったけど、これはこれで本が読めていいな」といったように発想を転換してあげるだけでも、心のカタチは変わっていきます。

しなやかな柳が風に吹かれても折れにくいことは、ご存知の通り。それは「心」も同じことなんです。

では、どうやってレジリエンスを高めるか?

あなたが不安やつらさを感じたとき、壁にぶつかったと感じたとき。
「レジリエンス」を高めるためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
まずは、下記の3つに意識を向けてみてください。

◆自分の経験を見つめる
これまで頑張ってきたことや成し遂げてきたこと、
乗り越えてきたことに着目し、
「きっと、今回も大丈夫だ」という勇気に変えてみる。

◆自己肯定感を持つと同時に、相手のことも尊重する
成功体験を大切にし、自分のことを信頼する。
それと同時に、周囲の人のことも信頼し、尊重する。
(心理学で言うところの「I’m OK. You’re OK.」の状態)

◆柔軟に思考する
広い視野を持ち、ピンチのときには考え方を変えてみる。
「これしかない」より「こんなにある」と言うように、
ポジティブな捉え方をする。
いわゆる「認知の歪み」と呼ばれる、良くない思い込みに気づく。

生来の強さというよりも、少しずつの訓練によって身につけられるチカラ……である気がしませんか?
心の片隅に置いておくだけでも、きっと何かが変わるかもしれません。

◇ ◇ ◇

次回からは、このレジリエンスについて専門家に取材。
これからの新しい働き方にしなやかに対応できる人となじめない人の違いや、ネガティブ思考に陥ってしまう原因、レジリエンスを高めるためのコツ、そしてメンバーの多様性を上手に活かせるマネージャーの思考などについて、詳しくお話を伺っていきたいと思います。

ニューノーマルに向けて、まさに必見の内容です。ぜひお楽しみに!

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レジリエンスと向き合う

受けたダメージを回復したり、環境へ柔軟に適応するしなやかな状態をつくる「レジリエンス」。何が起こるか分からないこの時代だからこそ、注目が集まるレジリエンスにとことん向き合います。