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働き方 ハピネスの種

ニューノーマルで社長の働き方も変わった!
イトーキ社長が考える「ハイブリッド」な働き方とは 〈2〉

ニューノーマルで社長の働き方も変わった!イトーキ社長が考える「ハイブリッド」な働き方とは 〈2〉

多くのワーカーがコロナ禍により在宅ワークを余儀なくされ、働き方が大きく変わった2020年。緊急事態宣言解除後は、在宅ワークを継続する動きが見られたことで、オフィスを移転・縮小する企業も現れました。オフィス家具メーカー・イトーキの平井社長が考える「未来の働く場」の第2弾。

取材・文 安楽由紀子
写真 中野正貴

テレワーク期間中を支えてくれた、こだわりのワークチェア

――自宅で「vertebra03(バーテブラゼロサン)」を使っているとのこと。オシャレな椅子ですよね。

バーテブラは、僕が入社する3年前の1981年に発売され、絶大な知名度がありました。オフィス家具業界でも、伝説的な傑作とされているワークチェアを今回リデザインしたので、個人的に強い思い入れがあります。見た目は当時とやや異なりますが、座り心地は確かに「バーテブラ」。人間工学に基づき、座る人に合わせて背もたれや座面が動くという技術力の高さをしっかりと感じます。おかげで外出自粛期間中も快適に在宅ワークができました。

vertebra03(バーテブラゼロサン)

――外出自粛期間中は、テレワーク用の椅子を求める人が増えたそうですね。

全国的に3月から4月にかけて「自宅で快適に仕事がしたい」というご要望が高まったことで、在宅ワーク用チェアはかなり売れました。「このニーズは社内にもあるはず」ということで社内販売したら結構売れまして、それに乗じて僕も買ったんです(笑)。単身赴任をしている東京の自宅に1脚、離れて住む家族のためにも1脚。僕が使っているのは4本脚の「木タイプ」で、ファブリックは「Plum Purple」です。

平井社長宅のバーテブラ03(平井社長提供)

平井社長宅のバーテブラ03(平井社長提供)

オフィスでも自宅でもない“第3の空間”を生みだす

――新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いた後も、家庭で働ける場が必要だと思いますか?

皆がテレワークのメリットを実感したから、以前の働き方に完全に戻ることはないと思います。しかし、日本の住宅事情はあまりいいとは言えない。夫婦ともリビングで仕事せざるを得ない、なんて話をよく聞きますが、それだとお互いの目線も声も気になる。だからオフィスでも自宅でもない、“第3の空間”があればいいですよね。これまでイトーキは「働きやすい家具」を提供してきましたが、これからは「働きやすい空間」も必要になってくる。そのための製品開発を今、議論しているところです。

――どんな製品ですか?

たとえば「ONOFF(オノフ)」。要はパーティション付き折りたたみデスクなんですが、これを広げるだけで瞬時に働く空間が生まれる。リビングでも仕事ができます。これからも、どうすれば人が快適に働くことができるのかを研究し、今までにないユニークな製品を開発していきたいと思います。

ONOFF(オノフ)

テレワークが進むほど、オフィスの必要性が浮き彫りになる

――一方で、オフィスの環境は今後どうなると思いますか?

コロナ禍で同時に、テレワークの限界も浮き彫りになってきたように思います。というのも、オンラインでのコミュニケーションが成り立つのは、お互いの信頼関係が前提にあるからこそ。だから、十分な関係がない相手とはリアルでのコミュニケーションも必要になる。これからテレワークが進めば進むほど、絆や信頼といった本質的なものを築くために、リアルで会うことの大切さが再認識されるんじゃないでしょうか。

――となると、これから求められるオフィスとは?

少なくともこれまでのような、人数分のデスクとチェアを並べたオフィスではないでしょうね。企業の戦略をオフィスに具現化するような、100社あれば100通りのオフィスが必要になる。僕たちはそれをお客様と一緒に考えていこうと思っています。

――お客様が注文したデスクとチェアを納品するだけではないということですね。

そうです。イトーキは『明日の「働く」を、デザインする。』というミッションを掲げていますから、快適に働くための空間作りを目指しています。

次回は、これからの社会において、心身とも健やかに、楽しんで働くために必要なことを語ります!

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働き方が変化の時を迎えた今だからこそ、自宅でも、オフィスでも、自分らしい幸せを感じるために。自分に一番フィットするハピネスな「働く」を見つけるためのヒントをお届けします。