椅子の専門家“チェアコンシェルジュ”に聞く!
「こんな方は在宅ワークチェアの
購入を検討してみては」
見極めのポイントも

在宅ワークが定着し、今使っている椅子のままでいいのか、そろそろ買い替えた方がいいのか…迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、椅子の専門家であるWORKAHOLIC(ワーカホリック)のチェアコンシェルジュ・伊藤僚範さんに、ワークチェアの購入を検討すると良いケースや、検討する際のポイント、最新のワークチェア事情を直撃インタビュー!

 

 

仕事専用の椅子を使うメリットを教えてください!

 

椅子の専門家であるチェアコンシェルジュのアドバイスを受けて、70脚程のワークチェアの中から試し座りや詳しい仕様の説明を聞くことができるWORKAHOLIC。店内には、イトーキの椅子も展示されています。在宅ワーク用の椅子を新しく購入したい!という方は直ぐにでも訪れたいお店ですが、残念ながら現在は東京都内1店舗のみ。そこで、WORKAHOLICのチェアコンシェルジュ・伊藤僚範さんに、ご自宅や近くの店舗で実践できるワークチェア選びのヒントをたくさん教えていただきたいと思います!

 


▲ WORKAHOLICのチェアコンシェルジュ・伊藤僚範さん

 

 

――今のように在宅ワークが定着する前は、ごく一部の方が自宅でワークチェアを使用していたように思います。チェアコンシェルジュの伊藤さんは、仕事専用の椅子を使用する一番のメリットは何だと思われますか?

「身体に負担の少ない姿勢をつくりやすくなる」ことでしょうか。WORKAHOLICで取り扱っている各メーカーのワークチェアは、人間工学の考え方などが取り入れられています。自分に合ったワークチェアを選ぶことができれば、もちろん意識しつつですが自力だけで正しい姿勢をつくらなくても良いということですね。

 

――なるほど!座り心地ばかり気にしていて、自分の座る姿勢について考えたことはありませんでした…。

そういう方も多いと思いますよ!例えば1日に1時間ぐらいだけ椅子に座って仕事をするのであれば、それこそダイニングチェアと兼用でも身体への負担は少ないかもしれません。ただ、在宅ワークをしていて1日8時間、趣味の時間も合わせると10時間以上座っているという方もいますよね。そういう方には、やはり仕事専用の椅子を選んでいただきたいです。
私自身が過去に腰のヘルニアを患ったことがあるのですが、健康と仕事がトレードオフではいけないと思うのです。身体を駆使して仕事の成果を勝ち取っても、その先にあるのは果たして幸せなのかなと。WORKAHOLICをご利用いただいている方の8割が、身体に痛みを感じているというデータもあります。ある意味、私は、健康的に働きながら成果を出していただくお手伝いをしているのだと思います。

 

――トレードオフではいけない!身に染みます。

 


▲WORKAHOLICの店内には実際のデスクまわりをイメージした空間が!

 

 

座っていてこんなお悩みがあるときは要注意!?

 

――在宅ワークで使用中の椅子について、買い替えを検討する判断基準などはありますか?長く使っていると慣れてしまって、こんなものかな〜と思いがちですよね。

長時間座ることで腰や肩、首などが疲れる・痛みが出ている、座面や背もたれなど身体が触れている部分が痛かったり痒かったりなどの違和感がある場合は、椅子を買い替えることで解消できる可能性があります。
ただ、ご自身で判断されるのには難しい面もあって…。椅子が合わないから疲れやすかったり痛みを感じたりしているのか、椅子は合っているけれど座る姿勢の問題なのか。だからこそ、ご来店いただけると見極めがしやすくなります。

 

ここでは少し具体的な例を挙げてみますね。

 

例)――――――――――――――――――――――――

【お尻の左右が痛くなる】

身体の大きい方が座面のフチに硬いフレームがついているタイプの椅子に座っていると、お尻や太ももの外側にフレームが当たって不快感になり痛みにつながる可能性があります。

 

【お尻全体が痛くなる】

座面が張りのあるメッシュ素材や硬めのクッションの場合、小柄な方や体重の軽い方は沈み込みが少なく痛みを感じる可能性があります。

 

【ヘッドレストを使うと首が疲れる】

正しい姿勢で座りヘッドレストに頭を預けても首が疲れる場合は、ヘッドレストの高さや角度が合っていない可能性があります。また、人によってはヘッドレストがあることの圧迫感を感じる方もいます。本当に必要かどうか考えてみましょう。

 

【リクライニング機能をうまく使えない】

身体を背もたれに預けたくてもうまく預けられない場合は、身体の形に背もたれが沿っていない、又は触れたときの素材の感触が合っていない可能性があります。

 

【足が痺れることがある】

深く腰をかけて座ったときに、足の裏全体が床についていないことが考えられます。足が浮いていると、太ももに体重がかかって圧迫されてしまい、むくみに繋がることもあります。座面の奥行きや高さの見直しが必要になります。足裏の高さを出すフットレストで改善できる可能性があります。

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――いろいろありますね!

はい。分かりやすいものを挙げてみましたが、ほかにもたくさんあります。これらのポイントは、店内で試し座りをしていただくときにも気をつけていただいています。また、繰り返しになりますが、座る姿勢が重要なので、デスク環境や作業内容を伺ったうえで負担のかかる姿勢と負担の少ない姿勢の両方をご説明するようにしています。WORKAHOLICへのご来店が難しい方も、お近くの家具店などでぜひ試し座りをしていただきたいですね。まずは座ってみて、触れて嫌な感じがなければ第一条件はクリア。次に、その椅子にちょっと長めに座ってみて、先ほど挙げたような違和感が出てこないかを確認してみてください。

 


▲製品知識と身体に関する知識を兼ね備える伊藤さん

 

 

椅子の価格の違いやデザインのことも聞いてみました!

 

――20万円以上などの高価格帯ワークチェアもありますが、やっぱり高い椅子を選んだ方が良いのでしょうか。

高価格帯のワークチェアは、高機能なタイプのものが多くあります。ただ、ご自身にとって必要ない機能がついていることで高い場合もあります。つまり、高価格帯=最適ということでは必ずしもないということですね。

 

――WORKAHOLICでも、さまざまな形や素材のワークチェアが展示されています。デザイン的な観点でもアドバイスをいただけると嬉しいです。

オフィス家具メーカーのワークチェアは、機能性を重視したオフィス感、事務感のあるものがまだまだ多いかもしれないですね。ご自宅で使用する場合、木製の家具や布製のソファと並べたときに無機質な感じがして浮いてしまう可能性はあります。気になる方は、仕事をする空間を分けるというのが一つ。あとは、イトーキさんでも発売されていますが、ホームファニチャーに合わせやすいファブリック素材のワークチェアを選ぶのもおすすめです。あとは、高さでしょうか。背の低い家具が多い場合は、ヘッドレスト付ハイバックタイプは目立ってしまうので避ける方もいらっしゃいます。「身体に負担の少ない姿勢をつくりやすくなる」椅子選びを第一にしつつ、参考にしていただけたらと思います。

 


▲形や機能も多種多様。さまざまな椅子がズラリ!

 

――在宅ワークの拡がりとともに、各メーカーでも新しい商品の開発が進んでいるのでしょうか。

そう思います。WORKAHOLICでも注目していきたいですね。すでに、在宅ワーク兼ゲーム用として、オフィス家具メーカーが監修しているゲーミングチェアなども展示しています。これから、機能性とデザイン性を兼ね備えた新しいものが出てくれば、お客様にも選ばれやすいでしょうね。

 

――それは楽しみですね。本日はありがとうございました!

 

 

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[店舗情報]

最適な一脚に出会えるワークチェアの専門店
WORKAHOLIC

東京都中央区日本橋馬喰町2-7-15 ザ・パークレックス日本橋馬喰町 1F

 

▶チェアコンシェルジュサービス(完全予約制・3,300円)
2時間のチェアコンシェルジュサービス+WORKAHOLICオリジナルブレンドコーヒー/ソフトドリンク+オリジナルノベルティ

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〜取材を終えて〜

「健康と仕事がトレードオフではいけない」という言葉が印象的でした。今一度、正しい姿勢で座れているのかを確認するとともに、痛みや違和感がないか身体の声に耳を傾けてみたいと思います。働く環境や目的、お悩みに合わせた椅子選びの大切さについては、こちらのインタビュー記事でもご紹介しています。

オフィスチェア界隈の話題スポット!WORKAHOLIC(ワーカホリック)に潜入&チェアコンシェルジュにインタビュー

 

正しい座り方や、疲れない椅子の選び方については、こちらの記事でもご紹介しています。

在宅ワークの腰痛対策に!正しい椅子の選び方と座り方のポイント

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